元住宅営業マンで、現在は「どのハウスメーカーにも属さない立場」から、お家づくりに必要不可欠なお役立ち情報を提供しております。
当サイトにお越しいただいた方々には、ぜひ「マイホーム計画に活かせる知識」をお持ち帰りいただきたいと思っております。
今回の記事は、鉄骨の住宅やコンクリートの住宅の特徴と比較しながら「木造の住宅のメリット」に関して、客観的な立場からご紹介して参ります。
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Contents
はじめに…新築の構造は「木造、鉄骨、コンクリート」の3種類!
木造の住宅に関して、みなさまどのようなイメージをお持ちでしょうか?
マイホーム計画を考えていくにあたって、住宅の構造タイプは「木造、鉄骨、コンクリート」の3種類であることは「木造か鉄骨か、あるいはコンクリートか?超重要な家の構造3分類について」の記事でもお伝えさせていただきましたが、特に「木造」と「鉄骨、コンクリート」には大きな違いがございます。
あとは、各々に存在するデメリットといかに上手に付き合っていくかを工夫することで、素敵なマイホーム実現の方向性が定まってまいりますので、ぜひ三者三様の構造タイプについて情報収集していってくださいね。
今回の記事は木造の住宅に関する情報がメインですが、鉄骨やコンクリートの住宅の特徴について情報を仕入れたい方は、下記に該当記事を掲載しておりますので、それぞれ合わせてお読みくださいませ。
▼合わせて読みたい記事▼
データで見た木造住宅の特徴
まずはじめに、木造の住宅の特徴を表す資料を載せておきます。
●参考データ●
このデータも参考にしながら「木造のメリット」「木造のデメリット」について解説していきます。
「へ〜、こんな感じなんだ!」
「ん?実は木造ってそうなの?」
「木造のメリットは伝わってきやすいな〜!」
など、第一印象の感覚を大切にしてみてください。
結果的に、そのはじめに感じた印象の良し悪しが、結果的に「その人の感性に適した構造タイプ」である可能性が高いです。
解説の前に…木造の住宅を建てる時、選択肢は大きく3パターンある
資料の解説を初めていく前にもう1つだけ知っておいて得する情報をご紹介します。
木造の住宅には大きく分けて3種類の工法が存在しております。
- 「木造軸組工法」
- 「木造パネル工法(プレハブ工法)」
- 「ツーバイフォー工法」
です。
「もうそんなの知ってるよ!」という方々は、飛ばして次の章へ進んでください。
この工法の違いには、「間取りの自由度」や「後期日程の長短」、「耐震性能の強弱」など、同じ木造でありながらそれぞれメリット・デメリットが存在しておりますので、覚えておかれて損はないかと思います。
①木造軸組工法
まず1つ目の木造の建築工法が「木造軸組工法」になります。
昔から日本の建築を支えてきた工法で、現在は「プレハブ工法」や「ツーバイフォー工法」が登場したため、「木造在来工法」と呼ばれることもありますね。
在来という言葉が使われてはおりますが、古来の「西洋文化」の影響から実施されている「西洋建築技術を取り入れた軸組工法」や、日本らしい「瓦屋根」を支える工法からは進化し、工法的にも材料的にも変化してきているみたいです。
●木造軸組工法の写真●
写真のように、柱や梁、斜めに入る材料の筋交いなどの線材と壁面と合わせ、ラグビーのスクラムを組ませるようなイメージでお家を支える構造の木造住宅になります。
木造軸組構法のメリット
木造軸組構法のメリットはこのような内容です。
- 大きな開口が取りやすいため、大開口の窓や、多量の採光計画が望める
- 比較的他の木造の工法と比べると間取りの自由が利きやすい
- 住んでからの話ですが、後々のリフォーム計画は実行しやすい特性がある
木造軸組構法のデメリット
逆に木造軸組構法のデメリットはこのような内容です。
- 建築期間(工期)が他の木造の工法と比べて比較的長い(1つひとつの材料を工場でカットしてから現場へ持ってきて、現場で組み立てていくことになるため)
- 現場レベルでの施工が多いため、職人の技術によって住宅の品質が左右される可能性がある
- 耐震性・耐火性に関して、他の木造の工法と比べると懸念点があるため、しっかりとした材料と木材を使う必要がある。
②木造パネル工法(プレハブ工法)
次に、2つめの木造の建築工法が「木造パネル工法(プレハブ工法)」です。
木質パネル工法は、簡単にイメージするなら「パネル(壁)」でお家を支える工法になります。
住宅には床や壁、天井といったような「構造上主要な部分」が存在するのですが、その主要部分をあらかじめ「パネル」として工場にて生産し、現場へ搬入して組み立てて完成します。
柱を用いずに「パネル」が耐力壁の役割を果たすため、パネル全面でお家を支えているのですね。
●木造パネル工法の写真●
写真で見ても分かるように、お家の枠をパネルで固めております。
・木造パネル工法(プレハブ工法)のメリット
木造パネル工法のメリットはこのような内容です。
- 工場であらかじめ生産して運んでくるため、品質に狂いが生じにくい
- 柱などの線ではなく「パネル面」で住宅を支えるため、耐震性に優れている
- プレハブなので、工期が木造軸組構法と比較して短い
木造パネル工法(プレハブ工法)のデメリット
逆に木造パネル工法のデメリットはこのような内容です。
- パネル面が耐力壁となるため、耐震性を維持するためにあまり大きな窓を取ることが難しい可能性がある
- 工場で生産したパネルが大きいため、ある程度の道路幅が必要になるなど、建築条件に制約がかかる可能性がある
- 壁をぶち抜きで壊すことが難しいため、リフォームの選択肢が木造軸組構法と比較して狭まる
③ツーバイフォー工法
最後に、3つ目の木造の建築工法が「ツーバイフォー工法」になります。
ツーバイフォー工法は、19世紀にアメリカやカナダなど、北米で誕生した木造建築の工法で(北米では9割がツーバイフォー工法)、日本へは1974年にアメリカから輸入されたことをきっかけに、建築基準法に基づく一般工法としてオープンされました。
構造自体は先ほどの「木造パネル工法」と同じく「前もって工場生産してきたパネル材」を現場で組み立て「面でお家を支える」工法になります。
ただ、木造パネル工法が接合部を特殊な接着剤でつなぎ合わせるに対し、ツーバイフォー工法の場合は「釘」で垂直方向へ打ち付けてつなぎ合わせいるのです。
●ツーバイフォー工法の写真●
写真で見てみても、木造パネル工法と姿形が似ておりますね。
ツーバイフォー工法のメリット
ツーバイフォー工法のメリットはこのような内容です。
- 工場であらかじめ生産して運んでくるため、品質に狂いが生じにくい
- 柱などの線ではなく「パネル面」で住宅を支えるため、耐震性に優れている
- プレハブなので、工期が木造軸組構法と比較して短い
ツーバイフォー工法のデメリット
逆にツーバイフォー工法のデメリットはこのような内容です。
- パネル面が耐力壁となるため、耐震性を維持するためにあまり大きな窓を取ることが難しい可能性がある
- 工場で生産したパネルが大きいため、ある程度の道路幅が必要になるなど、建築条件に制約がかかる可能性がある
- 木造パネル工法とは違い、釘を使用するため、釘と木材の相性が良くなければ「腐敗」の原因になる可能性がある
木造の住宅のメリットなどの特徴
それでは具体的に、木造の住宅の特徴を見ていくことにしましょう。
先ほどの資料を再掲します。
●参考データ●
木造の住宅のメリット
このデータ資料をもとに、木造の住宅のメリットを解説していきたいと思います。
木造の住宅のメリット①快適性は抜群!断熱性能・気密性能が高い
まず、木造の住宅のメリットと考えられるのが「断熱性能・気密性能」の高さから得られる「快適性・住み心地」ではないでしょうか。
山本さまご主人の言うように、木造の住宅は「夏は涼しく、冬は暖かい」環境を維持しやすいんです。
なぜなら、木材の熱伝導率(その物質が熱をどのくらい伝えるかの指標)は、鉄骨やコンクリートと比べて圧倒的に低く、夏場の暑さや冬場の寒さを室内に伝えにくいことが理由ですね。
また、気密性能も同様に優れているため、お家に隙間が少なく、無駄なく換気システムの効果が発揮され、部屋中の温度にムラができにくくなるのです。
木造の住宅のメリット②間取りの自由度が高い!理想の間取りを手に入れよう
次に、木造の住宅のメリットとして「間取りの自由度」が挙げられます。
特に木造軸組構法や木造軸組パネル工法(軸組構法×パネル工法)であれば、ほとんどゼロベースで設計を行うことができるため、ご希望の間取りを叶えられる可能性は高いです。
私は日々の家事動線をとことんこだわりたかったから、それは嬉しい情報だわ!
鉄骨の住宅の場合は「大空間」や「大開口」といったような開放的な自由度は高いのですが、木造の住宅の場合は「もう数十センチ広げて収納スペースを作りたい」「もう一段ダウンステップさせて上下の空間を作りたい」といったような細かな調整が利きやすいです。
この自由度が「日々の手間をなくすオリジナルの間取り」や「老後の住まいも考えた間取り設計」を実現させることができるため、できるだけ自分たちの理想を叶えてくれる設計士に出会うことが大切になってきますね。
自分らしさや生活のしやすさを追求したオンリーワンの間取りを叶えるにあたっては、木造の住宅の「間取りの自由度」は非常に大きなメリットです。
木造の住宅のメリット③火災から命を守る!意外な耐火性の強さ
最後に3つ目のメリットですが、実は木造の住宅は「耐火性能に優れている」というメリットがあるのです。
こちらをご覧ください。
こちらは、鉄骨と木造の住宅の「加熱による強度低下」を表したグラフになります。
見ての通り、
- 木は燃えるスピードが緩やかで遅い
- 鉄は一定の温度に達すると一気に強度が低下している
ということがお分かりいただけるかと思います。
「住宅の構造体において耐火性能に大切なのは、家事になってしまった家から逃げる時間をどれだけ確保できるか」
つまり、
「火事から命を守れるかどうか」
が大きなポイントになってきます。
熱されても崩れにくい木造の住宅は、実は耐火性能に優れていることが言えるのです。
ちなみに、私が住宅営業をしていた時のご契約者さまで消防士の方がおられたのですが、
と教えていただいたことを覚えております。
このお話からも、木造の住宅が「火災から命を守っている」ことがわかりますね。
木造の住宅のデメリット
逆に、木造の住宅のデメリットを見てみましょう。
木造の住宅のデメリット①天敵が多い!自然生物劣化の恐れ
まず、木造の住宅の天敵として真っ先に挙げられるのが「シロアリ」ではないでしょうか?
シロアリ
シロアリは
- 「湿気が多い」
- 「換気が悪い」
- 「日当たりが悪い」
場所を好んで飛来・増殖する傾向にありますので、特に住宅の地面から1mのあたりが被害にあうことが多いのです。
つまり、家を支える基礎や土台がある場所なので、根底から住宅を蝕んでいく被害も多く報告されております。
対策としては、定期的な防蟻処理を適切に行っていくことや、建築段階で「①防蟻剤の土壌散布」「②基礎が完成した際に再度基礎周辺に防蟻処理を施す」などの二重対策を施しておくなど、最新の注意を払っておく必要があります。
(ちなみに、シロアリの被害は木造の住宅だけにとどまらず、鉄骨の住宅においても被害の報告がされております。鉄骨のお家を建てた場合に関しても、建築段階で防蟻処理を行うようにしましょう。)
腐朽菌
また、シロアリの他に、木の成分を栄養にして育つ、きのこ類の菌の一種である「腐朽菌」に関しても、木造の住宅ならではの要対策項目です。
腐朽菌は
- 「湿気が多い」
- 「酸素がある」
- 「栄養源がある(木材)」
といった場所に繁殖する可能性があり、
- 「強度低下」
- 「形状変化」
- 「変色」
などの被害をもたらす源になり得るのです。
特に、目に見えない「構造体と壁の隙間」や「断熱材付近」では、温度差によって生まれる結露が水分を発生させ、知らない間に繁殖している可能性があるので要注意です。
こちらも対策としては、高気密・高断熱の性能を高めた住宅にすること、また結露が発生しにくい構造体・断熱材・換気システム(外張り断熱や24間換気システムの導入)を採用するなどの対策が大きなポイントになってきます。
また、定期的にアフターメンテナンスで、生活しているだけでは目に届かないような箇所に関しても(床下や基礎の中、天井裏など)不具合がないかチェックしてもらうことで可能性を軽減させることができます。
木造の住宅のデメリット②共に生きる代償…強度と精度にばらつきの可能性
もう1つの木造の住宅のデメリットは、「強度と精度にばらつきが生じやすい」という内容が挙げられます。
たとえ同じ種類の木材であったとしても、その一本一本の成長状況が違ってきているため、施工段階では同じ形状であった木材も、住み始めてから月日が経つごとに、異なる成長、異なる変形を遂げる可能性があるのです。
また、別の理由として、「木材に含まれている水分が乾燥することで変形する」現象が起こりやすいことも考えられます。
木材にどれだけ水分が含まれているのかは、含水率という指標で確認ができるのですが、例えばこの含水率が19%以上〜30%以下の天然乾燥木材は、寸法が狂いやすく強度が弱いというデータが出ております。
対策としては、含水率15%前後の木材を使うことによって、割れや寸法の狂いが少なくなるどころか、逆に強度自体は強くなるので、ぜひ意識してみてください。
また、経年変化の対策に関しては、JAS規定(農林水産規定)の木材を使っているメーカーに依頼をすることや、EW(エンジニアリングウッドと呼ばれる構造用集成材で、木材の変化が起こりにくく強度の強い「芯材(木材の中心部)をカットしてプレスで接着した木材」)を使っているメーカーで建築をすることをお勧めいたします。
まとめ
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